研究ノート | ヒオウギ
ぼくは、大阪に住みながら、京都の教室に通っていけばなの稽古をしてもらっています。
京都の夏と言えば、祇園祭。
そして今年の夏、気になっていたのが、祇園祭にヒオウギを生ける習慣です。
気になったきっかけがふたつありまして、ひとつは、祇園祭だけでなく、大阪の天神祭でもヒオウギを生ける習慣があると耳にしたこと。
天満宮界隈も時おり歩くけれど、ヒオウギが生けてあるところは、見たことがありません。運がないだけなのか、なんなのか。
もうひとつは、お稽古でつかったヒオウギが徳島県の神山で生産されたものだということ。
神山に行ったことはありませんが、地方への移住や新しい働き方に関する雑誌や本ではよく目にする地名です。知った土地のちがった側面を知ると、神山にも、そこで生産されているヒオウギにも、より一層興味が湧いてきます。
はじめの第一歩として、とりあえずWikipediaのヒオウギのページを開いてみました。
花が美しいためしばしば栽培され、生花店でも販売される。関西地方中心に名古屋から広島にかけて、生け花の7月初旬の代表的な花材である。特に京都の祇園祭や大阪の天神祭では、床の間や軒先に飾る花として愛好されている。
生花はほとんどが徳島県神山町産のものである。神山では1955年からヒオウギの生産が始まり、1976年にウイルス病により全滅の危機に襲われたが品質向上技術の開発により、1970年代前半には70軒が栽培して最盛期となり、徳島県の特産品にもなった。その後価格低迷や生産者の高齢化などにより2016年には10軒のみの生産に減少した。
これだけでも、こんな疑問が湧いてきます。
- ヒオウギを花材として用いるのは「関西地方を中心に名古屋から広島にかけて」とあるが、その他の地域ではどうなのか?(現在、いけばな文化中心地としての京都の習慣が波及している可能性は?)
- なぜ「関西地方を中心に名古屋から広島」で一般的な花材となっているのか?
- 祇園祭や天神祭でヒオウギを飾るようになった由来は?
- 天神祭でヒオウギを飾る習慣は、現在どのような状況にあるのか。
- 神山のヒオウギ生産の歴史について。
- その他の生産地はどこなのか?(おそらく花材として用いる地域とも関係するのでは?)
長期戦を覚悟で、調べていきたいと思っています。